治療に関するよくある質問 Q&A
入れ歯・大阪市
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私がラジオ大阪の電波技ありという番組でコメンテーターをしていた時に
リスナーから寄せられた質問とその答えを抜粋して記します。

Q1 保険の義歯と自費の義歯とはどう違うのか。
A1  イ 総義歯の場合
    保険の義歯はプラスチックで自費の義歯は金属床です。プラスチック
    は割れやすいので,ある程度の厚みを持たせて作っていますが金属床    
    は薄く作れるので異物感が少なく快適です。金属はチタンが軽いとされ
    ています。

 ロ 部分義歯の場合
    保険の義歯は使用できる部品が決まっています。自費の義歯は
    設計が自由ですので審美的にもできます。

 ハ 噛みぐあい
    保険と自費にかかわらず,噛んだ時の違和感や痛みなどは医師の経験
    や技術によりかなり違ってきます。保険の場合は既製品の服を買うのと
    同じで、入れ歯の不具合をある程度我慢しなければならないことが有る
    かもしれません。
    自費の場合は歯科医が考えている最高の治療が可能なので歯科医の
    能力がフルに発揮できます。患者様と歯科医が協力してより良い入れ
    歯を作れます。

Q2 顎関節症と診断されましたが治療方法を教えてください。
A2     顎関節症とは次の3つの特徴をもっています。1つ目は開口した時に顎
    関節部にカクンと音がする、2つ目は痛みをともなう、3つ目は開口障害
    です。治療方法はスプリント(マウスピースのようなもの)を装着して、噛
    み合せを調整したりしていますが、効果は一時的で痛みは取れてもカク
    ンとする音がとれないなど治っていない人も多いのではないでしょうか。
    東京で開業されている石幡伸雄先生は従来の治療方法とは全く異なる
    下顎の運動療法でほとんどの患者さんを治しておられます。私は今まで
    スプリント治療に疑問を持っていましたし、それに変わる治療法もなかっ
    たので、とりあえず大病院に紹介していましたが、石幡先生の著書を読ん
    で人生に光明を見る思いがしました。そして顎関節症は治せると確信しま
    した。私は石幡先生の治療法を取り入れ、関西地区の拠点になれるよう
    研究を深めていきたいと思っています。
Q3 洗浄剤で入れ歯を洗っても、においが残って困っています。
A3
入れ歯洗浄剤は、表面の汚れはきれいにとれますが、内部の汚れはとれていません。においが残るのは、内部の汚れがにおうからです。日本の入れ歯の品質には基準というものがなく、使用する材料も作る方法も技工所によってバラバラなのが現状です。したがって、材料や重合(入れ歯を作る方法)が完全でないと、入れ歯の内面に気泡が残ってしまい汚れが気泡の内部に蓄積されることになり、洗浄剤でも取り除くことはできません。根本的な解決は入れ歯を作り直すことです。または人工歯はそのままにして床(ピンク色)の部分だけ取り替えることです。
Q4 入れ歯安定剤について
A4     入れ歯安定剤は入 れ歯と歯ぐきの隙間を埋めるために利用されている
    ようですが、入れ歯と歯ぐきがピッタリあっていれば必要の無いものです。
    それゆえ入れ歯の安定が悪いのであれば歯科医院で直してもらうのが
    本筋です。個人で安定剤を購入して使用していると取り返しのつかない
    ことになることもあります。使用説明書を読めば短期間にとどめ長期間
    使わないように書かれていると思います。私の恩師の大阪大学名誉
    教授の奥野先生は入れ歯安定剤は麻薬のようなものとおっしゃってい
    ます。歯科医師の学会でも入れ 歯安定剤の長期使用については、
    否定的な意見が多いようです。
  
Q5 エムドゲイン治療を以前しましたが効果がありませんでした。なぜでしょう。
A5
エムドゲインは歯周組織の再生に使用する薬材ですが、正しく使用しないと効果は期待できません。考えられる原因は2つあります。1つは使用しても効果のないところで使った。もうひとつは術者の技術が未熟であった。効果のないところとは、歯根のまわりにほとんど骨がなくピンセットでつまんでも抜けるような歯にはエムドゲインを使用しても効果は期待できません。術者の技術が未熟とは、エムドゲインは万能薬ではありませんので、エムドゲインを使用する時には、歯周病の病原菌が完璧に除去されていなければダメなのです。例えていうと、癌の手術をしても病巣を100%取り除かないと再発するように歯周病の手術も歯周病菌をきれいに取り除かないとダメなのです。つまり歯周病菌を殺す作用はエムドゲインにはありませんので、術者が病原菌を完璧に取り除いた上で使用しないと骨は再生してこないのです。
Q6 今まで10軒ほど歯科医院で入れ歯の治療を受けましたが大好物のたくあんが噛めません?。入れ歯では無理ですか。
A6

入れ歯では噛みやすいものと噛みにくいものがあるのは事実です?。たくあんは噛みにくい部類にあります?。噛みにくい部類のものを噛むには入れ歯の精度が高くなければ噛み切るのは難しいでしょう。あなたがどうしてもたくあんを食べたいのなら、その希望を歯科医に述べて精度の高い入れ歯を作ってもらうことです?。

  
Q7 新しい入れ歯に変えて発音がしにくくなりました。
A7

新しい入れ歯の歯の位置が以前の入れ 歯の歯の位置より1ミリでもずれると発音しにくくなることはあります。1ヶ月たっても発音しにくい場合は歯の位置を変えてもらう必要があるでしょう。

  
Q8 入れ歯の汚れはどのように取ればよいですか。
A8

ハブラシに水をつけてこすって取れない場合は70℃のお湯につけてみてください。それでも取れない場合は歯科医院できれいにしてもらったほうが無難です。

  
Q9 私の入れ歯は痛くて全く物が噛めません。入れ歯をしている友達に尋ねるとよく噛めるとのことです。理由を教えてください。
A9

人間が千差万別であるように口の中も千差万別です。したがって、入れ歯を作成する条件も大きく異なります。例えて言うなら入学試験の偏差値に相当します。多くの歯科医院に通院しても噛める入れ歯ができないのであればあなたの偏差値は高いと考えられます。入 れ歯の作成に精通した先生に治療してもらってください。

Q10 貴歯科医院の入れ歯の治療費を教えてください。
A10

自費診療の場合は治療方法によって治療費が大きく異なりますので、一律にお答えできません。治療方法が長期的に考えてベストであっても例えばインプラントも併用したほうがより快適な義歯ができる場合でも、治療費が高額なため、またインプラントに恐怖感なり不信感をもっておられ希望されないのであれば、情報提供にとどめています。治療費は患者様が選択すべきもので、医院側が決めることではないと考えています。

  
Q11 私は下あごに3本の歯が残っていますが入れ歯をはめると歯が痛くなります。歯科医は歯をぬいて総入れ歯をすすめますが、歯をぬきたくありません。歯をぬかないと治りませんか。
A11

入れ歯をはめると痛いのであれば、原因は歯ではなく入れ 歯のかみ合わせが合っていないことによると考えられます。歯が原因なら入れ歯をはめなくても痛いはずです。入 れ歯をはめて噛むことによって、歯に非生理的な力が働くためです。歯は入れ歯の安定に非常に大切で、たとえぐらついている歯でも歯周病の治療によって動揺も治まります。

  
Q12 保険の入れ歯は噛めないと知人から聞きましたが本当ですか?
A12

この質問は単純ですが答えるのに苦労します。知人の方は保険の入れ歯では満足に食事ができなかったので、そのように言われたのでしょう。しかし貴方は保険の入れ歯でも噛めるかもしれません。われわれ歯科医は保険で全ての人に噛める入れ歯を作るのが理想ですが、現実は保険で入れ歯は作っているが、全ての人に噛める入れ歯は作られていないのです。自費で入れ歯を作っても噛めない人はいるのです。当院に来院される方の大部分は他院で自費で入れ歯を作られたにもかかわらず満足に食事ができないのです。

  
Q13 入れ歯では食事が出来ないのでインプラントにしたいと思います。費用など教えてください。
A13
入れ歯をインプラントに変えたから食事が出来るということはありません。入れ歯で食事が出来ないのは、かみ合わせが正確にあっていないからです。したがってかみ合わせを直せば食事はできるはずです。かみ合わせの狂った位置でインプラントに変えてもしっかり噛めないし、いずれインプラントがぐらぐらして壊れることになるでしょう。インプラ ントは入れ歯より快適だと思いますが、入れ歯で食事が出来ないのであればまず入れ歯を噛めるように直してもらうことです。そのうえでまだ不満な点があって、インプラン トをすることによって解決するのであれば、そのとき費用など考慮されてイ ンプラントを植立されてもよいでしょう。ただし入れ歯も満足に作れない歯科医にインプラント治療を受けても将来トラブルになる可能性は高いと思います。また、費用の点は医院によってかなり違うので一本いくらとはいえません。
Q14 入れ歯の作成期間はどれくらいですか
A14
入れ歯の作成だけなら一般の技工所で一週間ぐらいでしょう。しかし噛める入れ 歯ができる期間という意味なら口の中に残っている歯の状態によって、3〜6ヶ月ぐらいが当院では一般的です。入れ歯は歯のないところにはめるものですが、残っている歯を健康な状態にしないと入 れ歯の型をとることはできません。残っている歯が歯周病に罹患していることが多く、当院では歯周病の治療を終えてから入れ歯の設計を考えるようにしています。しかし3〜〜6ヶ月もの間入れ歯なしで生活できませんので、その期間仮の入れ 歯をしてもらって普通の食事はできるように歯の治療と入れ歯の修正を平行して進めています。
歯が全くない場合は総入れ 歯ですので、一発完成なら最短で2週間ぐらいでできるでしょう。掛かりきりになれば1日でも可能です。
Q15 入れ歯の具合が悪く、うまく噛めません。痛くて噛みしめることができないのです。食事が苦痛です。この状態を何とかできないでしょうか。
A15
新しい入れ歯をはめたときは、痛みが出るのはごく普通です。入れ 歯は石膏で作った模型上で作成されますが、入れ歯をはめる歯肉は柔らかいので食事のときに入 れ歯が沈み、強く当たる部位ができるためです。したがって、痛みがなくなるまで調整してもらう必要があります。調整回数は一概に言えませんが、3〜5回ぐらいが一般的です。調整回数が10回を超える場合は、入れ歯を作り直してもらう必要があるかもしれません。歯肉の状態が非常に悪く、入 れ歯をすぐに作れない場合は、仮義歯を作り粘膜調整剤を付与して調整を繰り返し数ヶ月かかって入れ歯を完成する方法もあります。
Q16 動揺している歯を抜かないで入れ歯を作る利点はなんですか。
A16
当院では動揺歯であっても歯周病の治療によって存続させる技術を確立しているので、あえて抜歯する必要がないということです。また残存歯は入れ歯の維持安定にとても大切です。また歯根だけでも残してその上に入れ歯を乗せることにより、噛みしめる感覚が残るので食事をより美味しく楽しむことができます。昔は歯周病の治療がなかったので、すぐに抜歯して入れ歯にしました。現在は歯周病には再生療法により歯を残せる確率が非常に高いので、当院ではまず再生療法に取り組みます。当院で抜歯する歯はピンセットでも抜けるような歯に限られています。
Q17 インプラントの利点と欠点を教えてください。
A17
まずインプラントはすべての患者さんにできる治療ではないということです。むしろ高齢者の場合は適応例は少ないのではないでしょうか。たとえば全身疾患の問題や骨密度の問題、植立すべき場所に骨がない場合は少量なら顎骨から移植は可能ですが、足りないと人工骨や膝や腰の骨を移植しなければなりません。イン プラントは歯科医なら誰でもできる簡単な治療ですが2〜3年でダメになる場合もあります。大切なのはアフターケアなのです。高齢者の場合は寝たきりになる可能性もあります。その時、口の中のケアは誰がするのかとかインプラ ントを10年もたせたいなら10年間、口の中のケアがしっかりできなければなりません。またイン プラントはどんな名医でもトラブルになる可能性がつねにあるので、そのばあいは入れ歯で対応できる技術をもっていなければ歯のない人生を患者さんは送らねばなりません。入れ歯がきっちり作れない歯科医がイ ンプラントをすることは10年以上先を考えた場合、危険な事と言わざるをえません。また最近ではインプラントを前歯部の審美に使ったりしていますが、術後はきれいに仕上がっても長期的にはインプラン トの周りの骨は吸収されるので私の推測ですが20年後には悲惨な状態になっているのではないでしょうか。ここまではインプラントについて否定的な意見を述べましたが、私はインプラント否定論者ではありません。むしろイ ンプラントを最小限度使用することによって入れ歯が非常に快適になる場合で、かつインプラントがダメになってもリカバリイできる場合は利用したほうが良いと考えています。インプ ラントは世界のトップクラスの専門家でも5%ぐらいはダメになっているので、日本の開業医のレベルならもっと失敗率は高いでしょう。だから私たち開業医は謙虚になって失敗した時にどう対処するのかを考えてインプラ ントに取り組んでいかなければなりません。症例を選んで適切に使用すれば、つまり患者さんの希望を考慮し、利点と欠点を理解してもらった上で利点のほうが大きいと考える場合、また将来トラブルになったときどのように対処するのかよく話し合った上で選択されるべきでしょう。
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